集成材とは?
「集成材」とは一言で言えば、丸太状態の木をひき、ひいた板をほぼ同じ繊維方向に平行に重ね、集成接着させた材のことを言います。限りある資源を生かすために、木と木を張り合わせて使います。
天然の産物であるムクの木は、節や芯を持ち、長さに限界があり、相当な時間をおかなければ割れや変形が生じます。この木材の欠点を除き、木肌の持つ自然の温かみや優しさを生かし、さらに精度と強度を加え、曲げ加工など自由な加工の美しさを科学的に追求したのが、集成材と言えます。
新しい空間を作る強い木として、いま大きな注目を集めています。

集成材の特徴

1. 含水率を15%以下に乾燥し、狂い、収縮を減少!
生きものである木は50~200%の水分を含んでいるため、乾燥が不充分だと強度低下、反り、割れを生じてしまいます。そのため集成材に用いる木材は天然乾燥に加え、さらに乾燥装置によって木の細胞膜中の水分まで放出させ、含水率を15%以下にまで落として反り、割れを防ぎ、強度アップを図っています。

2. 天然木をはるかに上回る強度性能を実現!
天然木には、大節、割れなどの欠点があります。集成材はそれらの欠点を除いたうえ、積層することにより、品質を均一化し、強度性能を高めました。特に建築基準法が性能規定化されるに従い、強度性能が表示される構造用集成材は信頼性の高い部材です。
集成材製造の流れ
❶ ひき板の製材
丸太からひき板を製材する
集成材を構成する一つの層となる
❷ 人工乾燥
水分含有率を12%程度まで下げる
❸ ムラ取り
材料の荒削りを行う
❹ グレーディング
木材の強度に応じて等級分けを行う
❺ 欠点除去
木材の欠点である節や割れ、腐れなどの欠点を除去する
❻ 接着剤配合
たて継ぎ部へ塗布する為の接着剤の製糊を行う
❼ たて継ぎ
専用の機器を用いて、長さ方向への接合を行う
❽ 接着剤配合
積層面へ塗布する為の接着剤の製糊を行う
❾ 材面切削
有効な接着を行うために木材の表面を平滑にする
❿ 圧締
接着剤が木材の細胞間に染み込むようプレス機で圧力をかける
⓫ 仕上げ加工
仕上げ削り用の機械で製品の各材面を平滑に仕上げる
⓬ 寸法確認
既定の寸法となっているのか確認を行う