大船渡消防署住田分署の施工完了レポートを掲載致します。

岩手県気仙郡住田町にて対応進めておりました「大船渡消防署住田分署」が

まもなく竣工を迎えるにあたり、当社の施工事例に掲載させていただきました。

大船渡住田町消防分署

 

施工完了にあたり工事を担当した草野沙耶より、施工レポートを掲載させていただきます。


<自己紹介>

技術部工事課で新卒2年目の草野沙耶です。

 

 

<物件の特長、見どころ〉

住田分署の一番の見どころは、建物の中心にある車庫部分だと思います。

車庫上部は大空間の吹き抜けになっており、

この物件の特徴でもある接合金物をほとんど使わない

「オール木フレーム」による貫式の構法がよく分かる部分でもあると思います。

私は、CLT階段を取付に行った際、完成間近の住田分署を見て、

どの角度から見てもすごい建物だなと改めて感動しました。

 

〈大変だったところ、苦労したところ〉

加工では、10メートル前後の300角の柱が50本以上あり、

梁を通すための貫穴加工と、込み栓用の孔加工が必要でした。

弊社の機械加工と大工さんによる手加工をフルに駆使して、

出来上がった材料を現場まで運搬してもらいました。

施工では、ほとんどの材料が化粧材だったため、

地組・建方の際は傷や汚れが付かないように養生し、細心の注意を払い進めました。

また、現地の大工さんにも協力してもらい、約4500本の込み栓を打ち込み、

仕上げとして材料から出た部分の込み栓を材料の面でカットしました。

打ち込みでは、材料にハンマーが当らないように注意し、

カットの際はのこぎりの歯が材料を傷つけないようにするのに苦労しました。

数量が多く、傷がつけられない状況で工期が遅れないよう、

早くて丁寧な仕事をしなくてはならなかったのが大変でした。

 

〈現場の様子〉

現場で施工期間中、海外からのインターン生を受け入れました。

ドイツ、フランス、台湾とさまざまな国からのインターン生で、

会話はほとんどジェスチャーか、日本語が話せるインターン生に通訳してもらい

コミュニケーションをとりました。

気になることは質問をしてくれて、また現場の作業を実際に行い、

とても積極的に現場を体験している様子でした。

インターン生は皆、私と年齢が近く、それぞれの国の建物の話や、

将来の夢の話などをしてお互いに刺激のある時間を過ごすことが出来ました。


当社としても珍しい構法への取り組みでしたが、順調に工事を終えることができました。

本物件が復興へ向かう住田町の新たなシンボルとなり、

中心市街地の未来の風景をリードする存在となることに期待したいと思います。