当社にて大判CLTパネルの加工対応をさせていただいた
民間企業社員寮が昨年末に竣工を迎えました。
本物件では、昨年当社で新たに設備導入したユニチーム社のExtraを利用して
巾2M超、長さ10M超の大判CLTパネルの加工を行いました。
加工図を担当者したNより、加工レポートを掲載させていただきます。
○自己紹介
製造部生産管理課NCチーム 入社4年目のNです。
普段の業務では、技術部工事課作成の施工図を基に、
NC機械加工用データと加工図の作成を担当しています。
○対応した物件の特徴
壁、床、階段にCLTを使用した建物で、
2階部分が大きくはね出す特徴的なデザインとなっています。
また、床面に最大で
厚210mm×巾2,350mm×長10,120mm(5層7プライ)のCLTを使用しています。
構造体であるCLTを内外部現しで仕上げ、
どこにいても木の温かみを感じることができます。
○加工の状況、様子
壁パネル、踏板(階段)をUltra、大判の床パネルをExtraで加工しました。
Extraで加工した床パネルは、過去物件の中でも最大サイズに匹敵する大きさでした。
工場の面積を最大限に活用し、基本的には2人一組で材料移動と反転を行いました。
階段に絡む床パネルは、とても細かく複雑な加工でしたが、
機械オペレーターと当社大工の経験・ノウハウを結集し、
問題なく加工を進めることができました。
また、Ultraで加工した壁パネルに関しては、加工形状の打合せを何度も行い、
二次加工なくNC機械のみでの加工完了を実現しています。
○苦労したこと
通常、施工まで対応する場合には詳細な施工図を基にしていますが、
本物件では、設計図面を基にデータと加工図の作成をしました。
そのため納まりを表現するための確認作業に時間を要し、
3D加工図面を纏め上げるのに苦労しました。
さらに、主担当として顧客内での打合せを初めて経験し、緊張感のある日々でしたが、
周りのサポートのおかげで、無事に作業を終えることができました。
※壁、床、階段のCLTパネル(3D CAD図面)
○現場見学会に出席させていただいての印象
パネル施工中と完成直前に2度現場見学会に参加させていただきました。
CLTのメリットとして良く聞かれますが、
パネル施工中の見学会では、壁パネルが実際に建て込まれる様子を
目にすることができ、とても早いなと感じました。
現場の工程は予定通りに進んでいたので、
担当した加工に問題がなかったのだと安心しました。
数か月後の建物見学会では、完成間近の様子を見学することができ
2階のはね出し部分は、迫力があり、印象深い建物となっていました。
図面やCADデータ上でしか見れていなかった納まりも、
実際に自分の目で確認して理解を深めることができました。
今回の経験を次の物件に生かして参りたいと思います。